「ギャンブル」がこんなにも楽しいのはどうして?

ギャンブルの習慣を自分でコントロールできている人は、楽しむために賭けをし、大金を掴む可能性があるという側面を好んでプレイしています。そのような人は、金銭および時間という両方の意味で費やす量を制限しており、インターネット上でギャンブルをする傾向にあります。

しかしながら、ギャンブルはこうしたプレイヤーが没頭する娯楽活動のたった一つに過ぎません。カナダのGamRes社のリチャード・ウッド氏と、イギリスのノッティンガム・トレント大学のマーク・グリフィス氏によると、問題を抱えるギャンブラーにとってギャンブルとは、ある種の逃亡であり、それはしばしば彼らにとって唯一の社会活動であるとのことです。この発見はスプリンジャー氏による『ギャンブル学誌(Journal of Gambling Studies)』で発表されています。

彼らの研究は、問題を抱えるギャンブラーになる見込みのない「前向きなプレイヤー」のスキル、姿勢、そして動機に関して考察する、という初の試みです。ウッド氏とグリフィス氏によって、前向きなプレイヤー1,484人と問題を抱えるプレイヤー209人を対象にオンライン調査が行われました。

過去のハーム・リダクションに関する研究の大半は、「問題のあるギャンブル行動」の否定的な要素のみに焦点を当て、「ムチ」によるアプローチ(例:このようにプレイをしてはいけません等)をしてきました。

他方で、今回の研究は、問題のない「前向きなギャンブル行動」の構成要素の定義につながるものです。この「アメ」によるアプローチ(例:このようにプレイすれば楽しい時間を過ごせます等)は、自分には関係のないことだ、と聞き流しがちなギャンブラーの心に響くものになるのではないでしょうか。

ウッド氏とグリフィス氏によると、インターネットが最も人気の高い媒体であり、93%もの前向きなプレイヤーが普段。インターネット上でギャンブルをするとのことでした。これは従来型のゲーム形態よりも。インターネットギャンブルの方が本質的に高いリスクをもたらすというわけではないということを示します。

特に、オンライン国営宝くじは、65.5%と最も人気の高い賭け事で、スクラッチカード(32.7%)、スポーツ賭博(32.7%)、そしてスロットマシンのような電子ゲーム(28.5%)と続きました。同氏二人によると、”大勝利”という幻想を好む前向きなギャンブラーにとって、ギャンブルは一種の喜びであるとのことです。たくさんプレイする人ほど、趣味を制御する独自の方法を持ち合わせていることが多いと言えます。

10人中9人の回答者が、「ギャンブルを開始する前に、費やす限度額を設定する」と答えました。他の回答者は、先を見越して、いくらまでなら負けても大丈夫か、どれくらいの時間をギャンブルに費やすかを決めるとのことです。

また、前向きなギャンブラーは、パブやカジノに一定額以上の現金を持参せず、クレジットカードも家に置いていく、という点には納得できますね。

一方で、問題を抱えるプレイヤーは、退屈、緊張、もしくは落ち込みなどの嫌な気持から脱却するためにプレイします。彼らにとって重要なのは、勝つ可能性よりもプレイするという経験そのものなのです。ほとんどの場合、問題を抱えるプレイヤーにとって、ギャンブルは唯一の社会活動となってしまっているのです。